勤務先の不正を通報して退職する「密告退社」が話題となっているそうです。
過去にも食品偽装など社内の方の通報により、不正が明らかになった事例はありますが、今回の「密告退社」はそれだけではないようです。
密告することで、その会社が潰れ、退職した後他社の面接のとき退社理由を「会社が潰れたので」と言いやすいとの話がありました。
確かに不正をする企業にも問題はあると思います。しかし、それで生計を立てている方も会社には存在しているのも事実で、その方はいったいどうなるのでしょうか。
そもそも会社には一つ二つ目を覆いたくなるような事があります。私の経験でもありました。わたしは、立場的に役職上、会社側に注意を促すことができる立場でしたが、その立場でない方は、なかなか言えないものです。
それを保護するために、公益通報者保護法が施行されました。誰でも不正に対して通報しても不利益にならないようにと制度ができました。透明性を確保しようと出来たはずなのですが、やはり「密告」という言葉が出てしまうのです。
会社が好きだからこそ、不正をやめてほしい。長く働きたいから、不正をやめてほしいと純粋に考えていらっしゃる方も多いと思います。不正は決してあってはなりません。しかし、企業の利益主義のためなくならないのが現状です。
ですが、前述したとおり、会社があるおかげで生計を立てている方もいるのも事実です。自分の都合で会社を潰すことは、あってはならないのです。
「密告」この言葉が存在するかぎり、透明性のある社会は訪れないように思います。
